従業員持株会の落とし穴! 税金がかかっているのは知っていましたか?
こんにちは、がっちです。
従業員持株会に加入をしている方の中で税金ってどうなっているか知ってますか?従業員持株会では奨励金もあり非常にお得なメリットがあります。
しかし奨励金は社員の所得を増やしていることや株式投資である以上税金もかかってくるのです。
この記事では従業員持株会の奨励金や売却益はどのように税金を取られるのかについてお話ししていきいます。
この記事を読めば従業員持株会が得なのか他の投資をした方が良いのかが判断しやすくなります。
この記事の内容を簡単にまとめると
- 従業員持株会では課税される部分があるので絶対得とは言い切れない
- 投資スタイルや銘柄によってはNISAなどの非課税枠の方が得
- 自分の会社の奨励金や成長性を考えて加入を検討しよう
従業員持株会で得た利益は課税対象になる
結論からお伝えすると従業員持株会で得た利益に関しては課税対象になります。しかし従業員持株会における利益は大きく2つあります。
- 企業から拠出金額に応じて支給される奨励金
- 売却をした時に出る売却益
厳密には奨励金は利益ではないですが持株会ならではの利益と考えても良いでしょう。
そこで覚えておきたいことはそれぞれ課税される項目が違うことです。ではそれぞれ見ていきましょう。
奨励金は給与所得としての課税対象になる
従業員持株会の奨励金は給与明細にある通り、給与所得として加算されるようになります。
つまり従業員持株会の奨励金が高ければそれだけ給与が増えているという考え方になるのです。
そうなると持ち株の奨励金も所得税や住民税の課税対象になるのです。これらは累進課税になるので給与所得の金額に応じて課税率も変わってきます。
持株会の拠出金額が多く奨励金も高い場合、奨励金分の税金も引かれることになります。そうなると自分が思っている以上に手元に残る現金が少なくなるのです。
売却益は売却時に分離課税がかかる
さらに売却時に利益が出ている場合は利益に対して課税がされます。
株式の売却益の税率は20.315%(所得税 15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)かかります。
例えば買付価格が1,000円で売却時1,500円だった場合に500円に約20%の課税がされるのです。
奨励金分は売却益には含まれない
ここで疑問に思うことが奨励金分は売却益として2重で課税されるの?ということです。
例えば以下の場合を考えてみましょう。
- 拠出金 →1,000円
- 奨励金 →200円
- 買付株価 →1,200円
- 売却時株価 →1,500円
このような場合、拠出金は1,000円ですが奨励金が足されたことにより1,200円の株を買い付けることができています。
それを1,500円で売却した場合
- 拠出金1,000円を引いた500円が課税される
- 買付株価1,200円を引いた300円が課税される
どちらになるでしょうか?
正解は後者の買い付けた株価を引いた分の利益300円に課税されます。
奨励金は給与所得として買付金額に回されるため、利益としては売却時に課税されません。しかし給与所得では課税されているので忘れないようにしましょう。
課税されるのであればNISAの方が得な可能性もある
ここまででわかるように従業員持株会の奨励金や売却益に関しては税金がかかるのです。
それであればNISAやつみたてNISAの非課税枠を使って自分で資産運用をしたほうがメリットが大きい可能性があるのです。
なぜなら従業員持株会は奨励金にも売却益にも税金がかかる一方で、NISAであれば売却益に税金がかからないからです。
従業員持株会はデメリットも多い
従業員持株会のデメリットは先ほどあげた税金面だけでなく、他にも資産運用において大きなデメリットがあります。
それは好きなタイミングで売ることができない点です。従業員持株会の規制を簡単にまとめると
- 単元株(100株など)貯まらないと証券口座に移せない
- 証券口座に移すまでにも時間がかかる
- 移行後も一定期間や決算月には売却できないなどの制限がある
インサイダー取引の観点から自由に売買ができないので、利益確定も損切りもベストなタイミングでできないのです。
NISA口座であれば自由に売買できるメリットがある
NISA口座であれば好きな銘柄を自由に売買ができます。NISAとつみたてNISAによって特定の金額範囲内や期間内であれば売却利益が非課税になります。
簡単にまとめると
- NISA→年間120万円までの運用資金の利益を5年間非課税にできる
- つみたてNISA→年間40万円までの運用資金の利益を20年間非課税にできる
このように指定された期間内と運用額の中で自由に売買を行い、そこで生まれた利益は非課税にできるのです。
NISA口座枠は買付上限になるので短期で売買を繰り返すとすぐに上限になり非課税枠を使ってしまうので注意をしましょう。
利益を最大化するのであればNISAを優先させるべき
このようにNISAを活用すれば自由なタイミングで売却をし、株価の値上がりによる売却益が非課税になるので利益の最大化をしやすくなります。
一方従業員持株会の方は自由なタイミングで売買ができず、売却をするにしても1ヶ月程度のラグが生じてしまいます。
それであれば自社株以外の成長性のある株にNISA枠で投資をしたり、つみたてNISAでS&P500や全世界株式に投資をした方が懸命かもしれません。
有名なS&P500では年間利回り5%程度の期待値です。
持株で10%未満の奨励金であれば課税や自社株の値上がりの期待を考えるとどちらに投資をした方が良いか判断しやすくなります。
持株を証券口座に移す際にNISA枠に移すことはできる?
従業員持株会で積み立てた持ち株はそのままでは自由に売却ができません。
持株会の退会をするとき以外に売却をする場合は基本的には単元株にして、指定の証券口座に移す形になります。
そこで出てくる疑問が移行した持ち株をNISA口座に入れて売却益を非課税にできるかどうかです。
結論からお伝えすると残念ながらそれはできません。
NISAはNISA枠での新規買付の銘柄のみが対象
NISA枠として非課税の対象になる場合は、NISA口座での新規買い付けをした銘柄のみが対象になります。
従業員持株会の場合は従業員持株会が代理として買い付けをした株を移行するだけになります。
ですのでNISA枠としての新規買い付けの対象にはならないのでNISAの非課税枠として移すことできないのです。
すでに特定口座にある銘柄をNISA枠に入れることもできませんので注意をしましょう。
課税されるなら従業員持株会はしない方が良いの?
結論をお伝えすると従業員持株会は自分のリスク許容度の範囲内で自分の生活が困らない程度にやっておくと良いのではないでしょうか。
なぜなら課税されるとは言っても奨励金は魅力的であり社内の情報はある程度自分でも把握しやすいからです。
従業員持株会をやるべきポイントとして
- 奨励金が10%以上ある
- 成長性がある企業
- 株価が低く単元株にしやすい
- 会社を辞める予定が無く長期的に入金ができる
このような条件であれば5,000円から1万円程度の無くても困らない程度から始めてみても良いでしょう。
あくまでも従業員持株会は長期投資なので短期的な利益は期待しないようにしましょう。
持株会のメリットに関してはこちらをご覧ください。
自分の会社を内外から調べておこう
自分の会社なので外部だけで無く内部からの情報を得ておくと将来的な成長を予測できるでしょう。
それを調べた上で成長性がある企業と判断するのであれば課税がされても持株会をやった方が得だと言えます。
奨励金と値上がり益の両方を狙えるので高奨励金企業の人ほど旨味は大きくなりますね。
会社の中期経営計画などがあれば必ず見ておきましょう。今の株価との割安性を計算してみると良いですね。
まとめ:持株会で取得した株には税金がかかるので注意をしよう
従業員持株会で得た株では、奨励金にかかる税金と値上がり益があった場合には税金がかかります。
つまり奨励金が10%あるからといって必ずしも10%が丸々得しているわけではないのです。株価が10%値下がれば損をすることになるので注意をしましょう。
この記事の内容をまとめると
- 従業員持株会の旨味である奨励金や値上がり益にはそれぞれ課税がされる
- 課税を考えるとNISAなどの非課税口座で投資をした方が得する可能性がある
- 高い奨励金や成長性がある企業であれば少額から持株会を始めてみることをオススメ
従業員持株会にをやるか悩んでいる方は他の記事も参考にしてみてください。
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